「毛布おばけと金曜日の階段」を読んだ

橋本紡の毛布おばけと金曜日の階段を読んだ。これは、ライトノベル?

いつかこーいうオススメの本を纏めようと思う。自分の感想だけじゃ、ここを読んでる希少な方々には全く以って有益じゃないし。

では、以下にはネタバレを含む可能性が無きにしも非ずなので、未読の方はご注意を。

なんて言ったって「毛布おばけ」だ。普通に考えれば狂ってるとしか思えない。現実にそんなことがあったら、正直引いてしまう。そして、未明と和人もその異常さを理解している。でも、おばけになってしまっているのは、完璧超人の彼らの姉or彼女。彼女がそんなキズを持っていることに、未明と和人は少なからずとも安心感を持ってしまっている。

「人として」人がキズを負っているのを見て安心感は持つべきではないというのは、頭では理解している。でも、実際安心してしまう、この葛藤。そう、葛藤!(初めてこの言葉を文章に使ったのが嬉しくて、つい)

で、自分は、こーいう「人としてあるまじき想いなんだけど、そういう想いを持っちゃったんだよ」っていうのを言葉にして聞くと、それが創作の中での言葉であっても、なんとなく安心してしまう。「あ、自分以外にも同じような想いを持つ人っているんだ」という感じで。

そういう想いが書かれてるこの作品ってのは、とても安心して読める。コミカルなわけでもないけど、着飾りすぎていないから読みやすい。まぁ、実際にしっかり行動に移す辺りが小説だけども。

ちなみに、こういう想いが「半分の月がのぼる空」ではより顕著に書かれているので、そちらも大変オススメ。

ところで、「未明」って、字を見る限り名前としてどうだろうと感じたけど、その時間帯ってとてもイイ感じなのでアリだな、と思った。